子どもの可能性を最大限に引き出すために、私たち大人ができることは何でしょうか?
その答えの一つが「適切な褒め方」です。
今回は、子どものやる気スイッチを入れる効果的な褒め方について、具体的にご紹介していきます。
やる気と褒め言葉の関係性
子どものやる気は、周囲の反応によって大きく左右されます。
特に、親や教師からの言葉かけは、子どもの意欲形成に重要な役割を果たしています。
脳科学研究によると、褒められることで脳内にドーパミンが分泌され、それが快感や達成感として認識されます。
このポジティブな経験が、次の行動への動機づけとなるのです。
また、適切な褒め言葉は、子どもの自己肯定感を高めます。
自己肯定感が高まると、新しいことへの挑戦意欲が生まれ、失敗を恐れない強い心が育ちます。
効果的な褒め方の具体例
では、具体的にどのように褒めれば良いのでしょうか?
①具体的に褒める 「すごいね」「えらいね」といった抽象的な褒め方ではなく、何がどう良かったのかを具体的に伝えましょう。
良い例:
「漢字の書き順をしっかり確認しながら丁寧に書けていますね」 「友だちが困っているときに声をかけてあげられて、優しい心遣いですね」
②タイミングを見計らう がんばっている最中や、達成直後の褒め言葉は特に効果的です。
子どもの努力をリアルタイムで認めることで、その行動が強化されます。
③過剰な褒め方を避ける 必要以上の褒め言葉は、かえって子どもの成長を妨げる可能性があります。適度な褒め方を心がけましょう。
④比較を避ける 「お姉ちゃんみたいに」「〇〇くんのように」という比較の褒め方は避けましょう。
その子自身の成長を認める言葉掛けが大切です。
年齢別の褒め方のポイント
年齢によって効果的な褒め方は異なります。発達段階に応じた褒め方を意識しましょう。
【幼児期(2-6歳)】 この時期は、できたことを素直に喜び、たくさん褒めてあげることが大切です。
・「自分でお着替えできたね!すごい!」 ・「お片付け上手だね。お部屋がきれいになったよ」
【小学生下学年(7-9歳)】 具体的な行動や努力を認める褒め方が効果的です。
・「毎日宿題を忘れずにやっているね。その習慣はすばらしいよ」 ・「難しい問題に挑戦する勇気があるね」
【小学生上学年(10-12歳)】 この年齢では、プロセスを認める褒め方が重要です。
・「計画を立てて勉強を進められているね。その工夫はとても良いと思う」 ・「失敗しても最後まであきらめない姿勢がすばらしいね」
まとめ
子どものやる気を引き出す褒め方のポイントは、以下の3つです。
- 具体的に褒める
- タイミングを見計らう
- 発達段階に応じた褒め方をする
これらのポイントを意識しながら、日々の関わりの中で適切な褒め方を実践していきましょう。
子どもの「やる気スイッチ」は、私たち大人の言葉かけによって確実に入れることができます。
ただし、褒めることは「技術」であると同時に「心」でもあります。
形式的な褒め方ではなく、子どもの成長を心から喜ぶ気持ちを込めて伝えることが、最も大切なポイントです。
明日から、ぜひ実践してみてください。
子どもたちの目が輝き、新しいことに挑戦する姿が見られるはずです。
子どもの可能性を信じ、適切な褒め方で支援していく。それが、子どもの未来を広げる第一歩となるのです。