「うちの子、家では全然勉強しないのに、図書館だと集中するみたい…なんで?」
こんな経験、ありませんか?実はこれ、心理学で「社会的促進」と呼ばれる現象なんです。
この記事では、子どものやる気を引き出す鍵となる「社会的促進」と「社会的抑制」のメカニズムをわかりやすく解説します。
この記事を読むことで、こんなことがわかります!
- 集中力を高める環境作りのヒント
- テストや発表会で実力を発揮させるコツ
- 子どもの個性に合わせた声かけの方法
お子さまのやる気を最大限に引き出すために、ぜひ最後まで読んでみてください!
なぜ図書館だと集中できるの?「社会的促進」の不思議な力
図書館やカフェで勉強がはかどるという経験はありませんか?これは、周囲に人がいることで集中力やパフォーマンスが向上する「社会的促進」という現象によるものです。
1898年、心理学者のトリプレットが行った実験では、自転車競技において、一人で走るよりも、他の競技者と一緒に走った方がタイムが速くなるという結果が出ました。これは、周囲に人がいることで、競争心が芽生えたり、無意識のうちに周りの人のペースに影響されたりするからだと考えられています。
子どもにも、この「社会的促進」は影響します。一人で黙々と勉強するよりも、友達と一緒に勉強したり、親御さんが近くで見守っていたりする方が、集中力が高まり、学習効果も期待できるのです。
社会的促進が起きる理由
- 評価不安: 周囲から見られているという意識が、緊張感やモチベーションを高めるため。
- 注意の分散: 周囲の人の存在が、集中力を妨げる要因から意識をそらすため。
- 模倣学習: 周りの人の行動を観察し、真似をすることで、学習効果が高まるため。
実は逆効果になることも!?「社会的抑制」にご用心!
一方で、「人前で発表するのが苦手」「テストになると緊張して実力を発揮できない」というお子さんもいるのではないでしょうか?これは「社会的抑制」と呼ばれる現象が関係しています。
「社会的抑制」とは、「社会的促進」とは逆に、周囲に人がいることで緊張や不安を感じ、パフォーマンスが低下してしまう現象です。
特に、新しいことや難しいことに挑戦するとき、人に見られているという状況下では、失敗への恐怖心が強くなり、「社会的抑制」が起きやすくなります。
社会的抑制が起きる理由
- 評価不安: 失敗を恐れるあまり、緊張して本来の実力を発揮できなくなるため。
- 注意過剰: 周りの人の視線や評価を気にしすぎて、課題に集中できなくなるため。
- 自己効力感の低下: 人前で失敗することへの不安から、自信を失ってしまうため。
子どもの個性を見極める!「社会的促進」と「社会的抑制」を使いこなすヒント
「社会的促進」「社会的抑制」は、子どもの性格や置かれている状況によって、どちらの影響が強く出るかが異なります。
【こんなタイプには「社会的促進」を!】
- 競争心旺盛なタイプ
- 周りの影響を受けやすいタイプ
- 集中力が続かないタイプ
《具体的な方法》
- 友達と一緒に勉強する
- 図書館やカフェなど、人がいる場所で勉強する
- オンライン学習サイトやアプリを利用する
【こんなタイプには「社会的抑制」に注意!】
- 内向的で恥ずかしがり屋なタイプ
- 完璧主義で失敗を恐れるタイプ
- プレッシャーに弱いタイプ
《具体的な方法》
- 静かで集中しやすい環境を用意する
- 苦手なことに挑戦する時は、まずは一人で練習する時間を設ける
- 過度な期待やプレッシャーをかけず、温かく見守る姿勢を大切にする
親の声かけが重要!子どものやる気を引き出す魔法の言葉
「社会的促進」や「社会的抑制」を踏まえて、子どものやる気を引き出すには、親の声かけも重要なポイントになります。
NGな声かけ例
- 「みんなの前で発表なんて緊張するな!」
- 「こんな簡単な問題もできないの?」
- 「もっと頑張りなさい!」
OKな声かけ例
- 「練習の成果、みんなに見てもらおうね!」
- 「難しい問題に挑戦してるんだね!すごいなぁ。」
- 「あなたのペースで大丈夫。応援してるよ!」
まとめ|子どもの「やる気スイッチ」を押してあげよう!
今回は、「社会的促進」と「社会的抑制」のメカニズムと、子どものやる気を引き出す方法をご紹介しました。
すべての子どもに同じ方法が有効とは限りません。「うちの子にはどんな環境が合っているのか?」「どんな声かけが効果的なのか?」お子さんの様子を観察しながら、最適な方法を見つけてあげてください。
この記事が、お子さまのやる気を最大限に引き出すためのお役に立てれば幸いです。