「小学校入学前や低学年の時期に、何を育てればいいの?」
そんな保護者・教育関係者の疑問にお応えします。
「読み書き計算」だけでなく、21世紀を生きる子どもに必要とされるのは“基礎的素養”。
これは学力の前に育てるべき土台であり、思考力・人間関係・学ぶ意欲のすべてに関係します。
本記事では、「基礎的素養とは何か?」「なぜ重要なのか?」「どう育てるか?」を、最新の教育研究と実践例をもとに詳しく解説します。
そもそも「基礎的素養」って何?学力との違いは?
「基礎的素養」とは、子どもが将来、自分の力で社会の中を生きていくための土台となる力のこと。
これは文部科学省やOECDでも重要視されており、主に以下のような力を含みます。
- 自分の気持ちや考えを伝える力(表現力・対話力)
- 他者と協働する力(社会性・思いやり)
- 課題を見つけ、解決しようとする力(探究心・主体性)
- 粘り強く取り組む力(自己統制・非認知能力)
よく混同される「学力」は、あくまで知識・技能の部分に限定されるのに対し、基礎的素養はもっと広く、学び続ける力や生き方そのものに関わっています。
これは、これからの時代に必須とされる「変化に対応する力」や「自律的な学びの姿勢」を育てる基盤でもあります。
なぜ今、基礎的素養がこれほど重要視されているのか?
日本の教育界では、長らく「読み書き計算」やテストの点数を重視してきました。
しかし近年、学力だけでは不十分なケースが多く見られています。
▼現場で起きている実例
- テストの成績は良くても、グループでうまく話し合えない
- 正解がない課題に対して、自分で考えて動けない
- 小さな失敗で自信をなくし、すぐにあきらめてしまう
このような傾向は、「基礎的素養の未発達」が根本原因であることが分かってきました。
世界的には、OECDの「キー・コンピテンシー」や、PISA(学習到達度調査)などでも、
非認知能力や社会情動的スキルの育成が重要テーマとされています。
つまり、子どもの学びは「知識重視」から「人間力重視」へと大きく転換しつつあるのです。
基礎的素養がある子はどう育つ?将来への5つのメリット
子どもが基礎的素養を育てながら成長すると、次のような効果が期待されます。
1. 学びに向かう力が伸びる
→ 興味・関心を持って主体的に学び続ける力が高まります。
2. 対人関係がスムーズになる
→ 相手の話を聞く・自分の気持ちを伝えるスキルが育ちます。
3. 問題解決力がつく
→ 状況を観察し、自分で考えて動く力が身につきます。
4. 挫折に強くなる
→ 小さな失敗も経験として受け入れ、再挑戦する粘り強さが育ちます。
5. 自己肯定感が高まる
→ 「自分にはできることがある」という感覚が根付きます。
このように、基礎的素養は進学や就職といった将来の選択肢だけでなく、人生そのものの満足度に大きく影響するのです。
家庭や教育現場で今すぐできる!基礎的素養を育む3つの方法
「どうやって育てればいいの?」と不安な方のために、日常生活に取り入れられる簡単な方法を紹介します。
●1. 話を最後まで聞く&気持ちを受け止める
→ 子どもの言葉に割り込まず、まず「そう思ったんだね」と受け入れる。
→ 表現力・共感力・自己認識力が自然と育ちます。
●2. 自分で考えて選ばせる場面をつくる
→ たとえば、「おやつはどれにする?」「先に宿題?遊び?」など、小さな選択でOK。
→ 主体性と自己決定力の土台になります。
●3. 結果より過程を認める声かけを
→ 「点数すごいね」よりも「毎日コツコツ頑張ったね」と伝える。
→ 努力や工夫に目を向けることで、成長思考が育ちます。
いずれも特別な教材やスキルは不要です。
日常の関わり方を少し変えるだけで、子どもの素養は大きく育ちます。
まとめ:今こそ「学力の前に、素養の土台づくり」を
これからの子どもたちは、変化の激しい時代を生きていきます。
そんな時代に必要なのは、「すぐに役立つ知識」よりも、「学び続け、他者と関わり、挑戦する力」。
つまり、「基礎的素養」がすべての始まりです。
- 学力を伸ばしたいなら、素養の土台を育てる
- 人間関係で悩まないためにも、幼少期の対話や体験が大切
- 自分らしく生きるために、自己理解と感情の扱いを学ぶ
保護者や教育関係者が「何を優先して育てるべきか?」を考えるとき、まずこの“基礎的素養”に注目してみてください。
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