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「言葉にしない伝え方」が子どもを伸ばす?ビジュアルコミュニケーションの力

ビジュアルコミュニケーション
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言葉を使わなくても、子どもと深くつながれる方法があります。
それが「ビジュアルコミュニケーション(視覚的コミュニケーション)」です。

子どもが言葉でうまく伝えられないとき、視覚的な表現や非言語のメッセージは、コミュニケーションの大きな支えになります。

今回は、教育や子育ての場面で活用できる「ビジュアルコミュニケーション」の考え方と、実践方法についてお伝えします。

目次

ビジュアルコミュニケーションとは?

ビジュアルコミュニケーションとは、視覚に訴える手段を通して相手に意図を伝えることを指します。
たとえば、

  • 表情
  • ジェスチャー
  • 絵・図・写真
  • ピクトグラムやアイコン
  • 色や形の変化

これらは、文字や音声によるコミュニケーションではカバーしきれない「伝わりやすさ」を持っています。

特に、子どもにとっては、

  • 言葉での表現が未発達
  • 聴覚処理に負担がかかる
  • 感覚優位の認知特性がある

といった背景から、視覚的な手がかりがあることで理解しやすくなるケースが多く見られます。

子どもは「見て」学ぶ。視覚が先に働く理由

人間の五感の中で、もっとも早く脳に情報を届けるのが視覚です。
しかも、脳の情報処理の8割以上は視覚に関わっているといわれています。

特に子どもは、

  • 絵本の挿絵で物語を理解する
  • 大人の表情を見て気持ちを感じ取る
  • ジェスチャーで指示を理解する

といったように、目で見て意味をつかむ力」が、言語の発達より先に育ちます。

そのため、「見せること」が「伝えること」になるという視点は、教育や家庭内の関わりにおいて非常に重要です。

ビジュアルコミュニケーションの実践例

では、具体的にどのようにビジュアルコミュニケーションを取り入れることができるのでしょうか。
以下に実践的な例を紹介します。

1. 視覚スケジュールを使う

今日の予定を「言葉」だけで伝えるのではなく、「アイコン」や「絵カード」で示すと、子どもは流れをイメージしやすくなります。
特にASD傾向のある子どもに効果的で、予測できる安心感が生まれます。

2. 表情や姿勢の見本を見せる

「にこにこしてごらん」「姿勢をよくして」などの指示は抽象的です。
そのときに、実際の表情や写真を見せながら伝えると、より具体的で理解しやすくなります。

3. 話し合いで図や表を使う

話し合いの場面では、「図解」や「フローチャート」など視覚的なツールを使うと、思考の整理や相互理解がスムーズに進みます。
言葉の壁を越えて、同じイメージを共有できるメリットがあります。

4. 絵で気持ちを表す

「今の気持ちはどんな色?」と尋ね、色で表現してもらうことで、言語化できない感情を可視化できます。
子どもにとって、心の内を「絵や色」で表現することは、自己理解や自己表現の一歩になります。

視覚に頼るときの注意点

ビジュアルコミュニケーションはとても効果的ですが、いくつかの注意点もあります。

  • 抽象的な情報には限界がある
     ビジュアルだけでは、細かなニュアンスや心情の深い部分は伝わりにくいこともあります。
  • 過剰に情報を詰め込まない
     図やイラストが多すぎると、逆に子どもが混乱してしまいます。シンプルで明確な提示が重要です。
  • 本人の理解スタイルを観察する
     視覚優位でない子どもには、ビジュアルより音声や体感で伝える方が効果的なこともあります。

つまり、「視覚が万能」ということではなく、その子に合った手段のひとつとして活用していくことが求められます。

ビジュアルが「ことば」を育てる

面白いことに、視覚的な体験は、やがて言語的な理解へとつながっていきます。

たとえば、

  • 時計の図を見ながら時間の概念を理解する
  • イラスト付きの語彙カードで語彙力を伸ばす
  • 感情の顔アイコンを使いながら、自分の気持ちを言葉で説明する

このように、ビジュアルは単なる「補助」ではなく、思考と言語の土台を作る重要な手段でもあるのです。

まとめ:見せて伝える時代の子育てと教育へ

スマートフォンや動画文化に親しんだ現代の子どもたちは、「読む」より「見る」ことに慣れて育っています。
その意味でも、教育や子育てにおいて「視覚的に伝える力」は、これからますます重要になります。

ビジュアルコミュニケーションは、

  • わかりやすく
  • 感情を共有しやすく
  • 自己表現のサポートになる

という点で、言葉だけでは難しい子どもの理解と支援において、非常に有効な手段です。

子どもが「わかる」「つながる」「安心できる」環境づくりのために、ぜひ「見せて伝える」工夫を日々の関わりに取り入れてみてください。


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