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子どものボキャブラリーを豊かにするには?今すぐできる5つの習慣

語彙
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言葉は思考の器――。

この言葉が示すように、子どもが物事を理解し、考え、表現していくうえで、「語彙(ボキャブラリー)」の豊かさは欠かせない力です。語彙力が高い子は、自分の気持ちを整理しやすく、他者との意思疎通もうまくいきます。

逆に、語彙が不足すると「わかっているのに言えない」「思いが伝わらない」といったコミュニケーションの壁に直面しやすくなります。

この記事では、子どもの語彙を自然に、そして楽しく増やしていくための具体的な方法をご紹介します。

目次

語彙力は“年齢相応”で伸びるとは限らない

まず知っておきたいのは、「語彙の習得には個人差が大きい」ということです。

  • よく本を読む子でも、会話ではあまり言葉を使わないことがある
  • 勉強は苦手でも、日常会話の語彙は豊かな子がいる
  • 同じ年齢でも、表現力や使う言葉の幅に驚くほど差が出ることがある

つまり、語彙力の発達には、単なる“年齢”や“学校の勉強”だけでは説明しきれない要素があるのです。

だからこそ、日常の中で「語彙を増やす土壌」を整えてあげることが大切になります。

語彙力を伸ばすカギは「意味のある言葉との出会い」

語彙を増やす上で大事なのは、単に言葉を“詰め込む”ことではありません。子どもが「なるほど、こういう時にこの言葉を使うんだ」と、意味と文脈をセットで捉えることがポイントです。

たとえば、「優雅」という言葉を辞書で調べるだけでは、子どもにとってはピンときません。しかし、動物園で白鳥の泳ぐ姿を見て、

「あれって“優雅”っていうんだよ。ゆっくりなめらかに動いていて、きれいだね。」

と声をかければ、その言葉は“体験と共に記憶される”語彙になります。

このように、日常の中で言葉を意味と一緒に渡す工夫こそ、語彙力を豊かにする近道なのです。

今すぐできる!ボキャブラリーを増やす5つの習慣

1. 会話の中で“ちょっと難しい言葉”を混ぜる

子どもとの会話の中で、意識的にやや高度な言葉を取り入れてみましょう。

例:

  • 「今夜は“豪華”なごはんだね」
  • 「今日は“爽快”な天気だね」
  • 「それは“画期的”なアイディアだね」

ポイントは、「難しい言葉を使う→すぐに意味を補う」こと。自然な流れで言葉と意味がリンクします。

2. 本や読み聞かせの時間を“語彙の宝庫”に

読書は語彙力アップの王道です。ただし、内容を理解していなければ語彙は定着しません。

読み聞かせの際は、物語に出てきた少し難しい言葉に注目し、

「“ほころぶ”ってどんな感じだと思う? 笑顔がふわっと広がる感じだよ」

というように、“語感とイメージ”を重ねて伝えましょう。低学年までは読み聞かせの時間をしっかりとり、中学年以降は感想を聞きながら会話で語彙を拾っていくと効果的です。

3. 感情の言葉を増やすことから始める

「うれしい」「たのしい」「いやだ」だけでなく、

  • 「不満」「照れくさい」「いら立ち」「感動」「あきれる」

などの感情語を意識して使うことは、語彙だけでなく自己理解や社会性の発達にも直結します。

日記や感想文を書く際にも、「どう思った?」「どんな気持ち?」と一緒に言葉の選択肢を提示してあげましょう。

4. “言い換えごっこ”で語彙の幅を広げる

「おいしい」→「甘い」「香ばしい」「とろける」
「うれしい」→「幸せ」「わくわく」「にやける」

こんなふうに、同じ気持ちや状況を「別の言葉で言い換える遊び」は、語彙力だけでなく表現力や発想力を育てます。

家族での食事やおでかけ中にも、「今の気持ち、どんな言葉がぴったりかな?」と声をかけてみましょう。

5. 子どもが使った言葉に「共鳴」して返す

子どもが新しい言葉を使った時、すぐに訂正したりスルーするのではなく、

「へえ、“壮大”って言葉、よく知ってるね! どんな時にそう思った?」

と、その言葉に寄り添って対話を広げることで、語彙が“自分の言葉”として定着していきます。

語彙力は、自己肯定感のベースにもなる

語彙が豊かになると、子どもは自分の気持ちをうまく伝えられるようになります。それは、「わかってもらえた!」という成功体験を生み、自信や自己肯定感の源になります。

一方で、気持ちを表現できない子どもは、誤解されたり、感情が溜まって爆発したりといった課題を抱えやすくなります。

つまり語彙は、「学力」だけでなく「人間関係」や「心の安定」にも直結する、大切な土台なのです。

まとめ:言葉は「教える」より「一緒に育てる」

  • 子どもの語彙力には大きな個人差がある
  • ボキャブラリーは意味と文脈で定着する
  • 日常会話こそ、語彙習得の最大のチャンス
  • 語彙を育てることは、自己理解と対人関係の力を育てることにつながる

語彙力は一朝一夕では育ちません。しかし、日々の会話や体験の中で「ちょっといい言葉との出会い」を積み重ねていけば、確実に子どもの言葉の世界は広がっていきます。

まずは今日、「ちょっとだけ難しいけれど素敵な言葉」を、子どもと一緒に味わってみてください。それが、語彙を育てる最初の一歩になるはずです。


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