「うちの子、どんな習い事にも興味を示さなくて…」
「まわりはみんな習い事をしているけれど、学校の勉強だけでもいいの?」
そんな悩みを抱える保護者の方も少なくありません。
この記事では、習い事に興味を持たない子どもへの接し方や、学校だけの学習で足りるのかどうかを、教育的な視点から解説していきます。
学校の学習だけで「足りる」かどうかは目的による
学校教育は、文部科学省が定めた学習指導要領に基づいて構成されており、基本的な学力・社会性・生活習慣を身につけるには十分な内容です。
つまり、「生きていくうえで必要最低限の力をつける」点では、学校だけでも問題はありません。
しかしながら、現代社会は多様な価値観やスキルを必要とする時代です。
学校だけではカバーしきれない「体験的な学び」や「個性の伸長」といった要素は、習い事を通じて得られることが多いのも事実です。
習い事が提供する「学校では得がたい学び」とは
習い事は、次のような面で学校とは異なる学びを提供してくれます。
- 小集団での深い関わり(人間関係構築力)
- 目標に向かって努力する経験(自己効力感)
- 興味関心に基づく学び(主体性・探究心)
- 継続力や忍耐力、失敗からの学び(非認知能力)
とくに近年注目されているのが、「非認知能力」と呼ばれる、数値では表しにくい内面的な力。
これらは学力とは異なる形で、人生の満足度や社会適応に深く関わっています。
習い事に興味を示さない子どもへのアプローチ
興味を持たない子に無理やり習い事をさせる必要はありません。
むしろ、以下のような方法で「学びの選択肢」を広げていくことが大切です。
- 子どもの「小さな好奇心」に注目する(工作、料理、昆虫…)
- 体験イベントや短期講座から始めてみる
- 親自身が楽しそうに取り組む姿を見せる
- 選ぶ・やめる自由があることを伝える
「習い事=正式な教室に通うこと」と思い込まず、まずは興味の芽を見つけてあげることが最初のステップです。
習い事をしない場合、家庭で補いたい3つの視点
仮に習い事をしない場合でも、以下のような機会を意識的に設けておくとバランスがとれます。
- 日常生活に好奇心を紐づける工夫
→ 買い物中の計算、料理中の化学変化など - 人との関わりを増やす体験
→ 地域活動や家族行事、近所のイベント参加など - 失敗や成功を通じた学び
→ 家庭内で簡単な役割を任せ、振り返りの対話を行う
こうした体験の積み重ねが、習い事に頼らずとも、社会性や自己肯定感の基礎を育む要素になります。
習い事は「必須」ではないが、選択肢の一つとして考える
習い事をしていないからといって劣っているわけではありません。
子ども一人ひとりの性格やタイミングに合った学びのスタイルがあるからです。
ただし、「学校だけでいい」と決めつけるのではなく、「子どもが本来持っている興味や力をどう伸ばすか」の視点で、習い事や体験活動を選択肢として考える姿勢が大切です。
押しつけるのではなく、子どもが自ら動き出せるような環境づくりと対話を心がけていきましょう。
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