考える力とは何か?
「考える力」とは、情報をただ受け取るのではなく、自分で疑問を持ち、整理し、意味づけていく力です。
この力は、国語や算数など教科の枠を超えて、社会生活や人間関係の中でも発揮される、生きていくうえで不可欠な力です。
特にこれからの時代は、知識の多さよりも、どのように考え、判断し、選び取るかが求められます。AIでは代替できない、創造性や柔軟な思考力の基盤が「考える力」なのです。
考える力を育てるために大切な4つの要素
1. 「問い」を持つ経験を重ねる
考える力の出発点は、「なぜ?」「どうして?」という問いです。
親や先生がすぐに答えを教えるのではなく、問いを一緒に育てていく関わり方が求められます。
たとえば、子どもが虫を見つけたときに、「これはアリだよ」と言うのではなく、「どんなところにいたの?」「なんでここにいるんだろう?」と問いを返してみましょう。
子どもの頭の中に考える回路が芽生える瞬間です。
2. 自分の意見をもって言語化する
「なんとなく思ってる」だけでは、考える力は育ちません。
大事なのは、自分の考えを言葉にして表現することです。
- 「それってどういうこと?」
- 「たとえば、どんな場合?」
- 「それって、前にもあった?」
こうした質問によって、子どもは自分の中にある曖昧な考えを整理し、深める機会を得ます。
3. 失敗や迷いを肯定する
考える過程には迷いや間違いがつきものです。
大人が正解を急がせたり、「それは違う」と否定したりしてしまうと、子どもは考えることに慎重になり、無難な答えしか言わなくなってしまいます。
むしろ、「よくそこに気づいたね」「それは面白い視点だね」と声をかけ、考えようとする姿勢自体を認めることが重要です。
4. 多様な視点に触れる
一つの価値観だけでは思考は広がりません。他の人の考えや、異なる考え方を知ることで、自分の考えも磨かれます。
本や映像、人との対話、旅先での経験など、多様な視点に出会う機会をつくりましょう。「この子にはまだ早いかな」と思っても、想像以上に子どもは多くを吸収しているものです。
家庭でできる!「考える力」を育てる工夫
一緒に考えるスタンスをもつ
「どう思う?」と聞いた後、答えを待たずに親の考えを言ってしまうのはもったいないことです。
親が正解を提示するのではなく、「私はこう思うけど、○○はどうかな?」と“対話の形”にすることで、思考のキャッチボールが生まれます。
日常生活の中で問いを育てる
- スーパーで:「このお菓子、なんでこんなに安いんだろう?」
- 道路で:「どうして信号は赤で止まるのかな?」
- ニュースを見て:「今のニュース、どう思った?」
生活の中に“考えるきっかけ”はあふれています。親が少し視点を変えるだけで、子どもの思考力は日常の中で自然に育まれます。
話を「最後まで聞く」姿勢を大切に
子どもが話すとき、途中で口をはさまず、しっかり最後まで聞くことも大切な姿勢です。
「この人は、私の話をちゃんと聞いてくれる」と子どもが感じることで、安心して考えたことを表現するようになります。
学校・塾・家庭でのバランスも重要
学校や塾では、課題に取り組みながら考える力が育ちますが、時間や人数の制約もあります。
だからこそ家庭では、ゆったりとした時間の中で自由に思考を広げられる環境が求められます。
また、塾や通信教育などでも、「考える力」を養うプログラムを選ぶことで、家庭と学校の学びが補完し合う形になります。
まとめ:答えよりも「考える過程」に価値がある
「考える力」を育てるということは、自分の頭で物事を受け止め、意味づけ、行動につなげる力を育てることです。
これからの時代、答えを知っているだけでは通用しません。自分で考え、選び、判断する力こそが、生きる力となります。
家庭でできるのは、「一緒に考えること」「問いを歓迎すること」「考えを受け止めること」。
子どもの「なぜ?」に丁寧に向き合う姿勢が、未来を切り開く力へとつながっていきます。
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