「うちの子、普段は明るいけれど、ちょっとトラブルがあるとすぐに落ち込んでしまって…」
そんな保護者の声をよく耳にします。実際、ポジティブな子でもいざというときに前向きさを保つのは簡単ではありません。
この記事では、教育心理学・発達支援の観点から、困難な場面でもポジティブな思考を活かせる子どもに育てる方法を解説します。
「楽観的であれ」と教えるよりも、「つまずいたときにどう考えるか」を一緒に育てていく。それが、本当に意味のあるポジティブ思考の育て方です。
逆境でこそ問われる「思考の習慣」
日常の小さな場面では、子どもたちは比較的前向きに行動できるかもしれません。
しかし、以下のような「心が揺さぶられる経験」に直面したとき、本当の力が試されます。
- テストの結果が期待はずれだった
- 仲良しの友達にきついことを言われた
- 習い事の発表会で失敗してしまった
このような場面では、自動的にネガティブな思考が頭に浮かぶのが自然です。
しかし、そこからどう立ち直るか。実はこの回復力(レジリエンス)こそが、真のポジティブ思考の核心です。
「レジリエンス」を育てるには親の関わりがカギ
ポジティブ思考は単なる明るさではなく、困難な状況から立ち上がるための「心のスキル」です。
そしてこのスキルは、家庭での関わり方や日々の言葉がけの中で育まれます。
以下に、困難な場面でポジティブな思考力を発揮するために、親ができることを5つご紹介します。
1. 「感情を否定しない」ことから始める
子どもが落ち込んでいるとき、「そんなこと気にしないで!」「前向きに考えなさい」と励ましたくなるかもしれません。
けれど、それでは子どもは「悲しんじゃいけない」「わたしは弱いんだ」と感じてしまい、本音を隠すようになります。
→ まずは感情を受け止めることが出発点です。
「悔しかったよね」「つらかったね」と共感することで、子どもは安心して次の思考に向かうことができます。
2. 困難を「できごと」として一緒に捉え直す
失敗やトラブルを経験した直後は、「自分はダメだ」「もう無理」と思い込みがちです。
そこで、「今回のことって、どんなできごとだったと思う?」「原因はどこにあったかな?」と問いかけてみてください。
→ 「自分自身」と「できごと」を分けて考える習慣がつくと、自己否定ではなく課題分析の視点が育ちます。
3. 乗り越えた経験をストーリーとして言語化する
子どもが困難を経験したあとに、「どんなふうに乗り越えた?」「自分の中でどんな力があったと思う?」と振り返る時間を持ちましょう。
→ 困難な経験を「成功ストーリー」に言語化することで、子どもの中に「私は乗り越えられた」という記憶が刻まれ、次の困難への土台となります。
4. 小さな成功体験を積ませる
「困難に打ち勝つ力」は、いきなり大きなチャレンジを通して育つものではありません。
たとえば、「今日は緊張しながらも発表できた」「友達に勇気を出して話しかけられた」など、日常の中の小さな成功体験を認めていくことが大切です。
→ 自信の積み重ねが、「次もきっと大丈夫」という前向きな思考を生み出します。
5. 親自身の困難体験を「前向きな語り」で伝える
親が失敗談を話すとき、どんなふうに語っているでしょうか?
- 「あのときは最悪だった…」
- 「でも、あの経験があったから今があるよ」
同じ体験でも、語り口によって受け取る印象はまったく違います。
→ 親が困難をどう乗り越えたかを、希望を込めて伝えることで、子どもは“逆境は超えられるもの”だと学ぶのです。
ポジティブ思考を支える「内的対話」の力
困難な場面で大切になるのが、「内的対話(セルフトーク)」です。
たとえば、
- 「また失敗しそう…」
- 「でも、前より練習してるし、きっと大丈夫」
このような心の中のやりとりは、思考の習慣として定着していきます。
そしてこの内的対話は、親から受け取る言葉を通して育つのです。
「あなたなら大丈夫」「きっと乗り越えられる力があるよ」といった肯定的な言葉を、普段から投げかけていきましょう。
やがてそれが、子ども自身の中で「自分を支える声」に変わっていきます。
まとめ:困難の中でこそ育つ、本当のポジティブ思考
ポジティブ思考とは、楽観的にふるまうことではありません。
「困難な状況でも、自分の力を信じて行動しようとする心のあり方」です。
そしてその力は、
- 感情を受け止めてもらった経験
- 困難を整理し、前向きに語り直す機会
- 小さな成功を認めてもらう積み重ね
これらの丁寧な関わりのなかで、確実に育っていきます。
私たち大人ができるのは、子どもに困難を与えることではなく、困難と出会ったときにその意味を一緒に見つけていくこと。
その積み重ねが、どんな場面でもくじけず、自分を信じて前に進む力を育むのです。
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