いじめ、家庭の不和、失敗体験、進学の壁――
子どもは成長過程で、時に「逆境」とも言える場面に立たされます。
そんな時、ただ守るのではなく、自ら立ち上がる力をどう育てるかは、これからの教育に欠かせない視点です。
この記事では、発達心理・教育支援の観点から、逆境を乗り越える力=レジリエンスの高め方について、具体的に解説します。
「強く、優しく、生きる力」を育みたい保護者・教育関係者の方に役立つ情報を、わかりやすくお届けします。
「逆境に強い子」とはどんな子か?
「逆境に強い」と聞くと、「泣かない」「へこたれない」子を思い浮かべる方も多いかもしれません。
しかし、本質はそこではありません。
心理学的に見た「逆境に強い子」は、以下のような特性をもっています。
- つらい気持ちを受け止められる
- 自分の感情や状況を言語化できる
- 信頼できる人に助けを求められる
- 自分には価値があると思える
- 問題を整理し、前向きな選択ができる
つまり、「感じない」のではなく、「感じたうえで乗り越える力」こそが、本当の強さです。
この力は、親の声かけや家庭環境によって、日々少しずつ育まれていきます。
なぜ今、「逆境に強い心」が必要なのか?
現代の子どもたちは、予測不可能な時代を生きています。
学校や家庭、SNSでの人間関係、受験や将来への不安など、見えづらいストレスにさらされています。
さらに、情報のスピードが速すぎる社会では、「失敗=即座に評価が下がる」と感じる場面も多くなっています。
このような環境では、「ストレスをゼロにする」ことは不可能です。
だからこそ必要なのは、ストレスをしなやかに受け流し、再起できる心のスキルなのです。
逆境に強くなる子どもを育てる5つのアプローチ
1. 「つらさ」を無理に消さず、言葉にする
逆境の中にいるとき、子どもはよく「だいじょうぶ」と言います。
でもそれは、言語化する力がないか、否定されるのが怖いからです。
→「今、どんな気持ち?」
→「それはつらかったよね」と、大人が感情に名前を与える関わりが大切です。
つらい気持ちにラベルを貼ることで、心の中にある「もやもや」に輪郭が生まれ、整理がはじまります。
2. 「がんばれ」より「どうしたい?」を大切にする
励ましのつもりでつい使ってしまう「がんばれ」。
でも、逆境にいる子どもにとっては、「もう十分がんばってる」と感じることもあります。
→「今、自分でどうしたいと思ってる?」
→「それなら、何ができそうかな?」
と、選択肢とコントロール感を取り戻せる声かけに変えることで、自己効力感が育ちます。
3. 小さな成功体験を積ませる
逆境に強くなるには、「やればできた」という実感の積み重ねが不可欠です。
→ たとえば、「今日、10分だけ勉強してみよう」「1回だけ外に出てみよう」など、
行動のハードルを下げて達成感を味わわせることが効果的です。
その経験が「次もきっとやれる」という希望の種になります。
4. 安心できる「逃げ場」をつくる
強くなるためには、安心できる場所が必要です。
それが家庭であり、保護者であることが、何よりの支えになります。
→「無理しなくていいよ」「話したくなったら、いつでも話してね」と伝え続けましょう。
家庭が「失敗してもいい場所」だと感じられれば、子どもは外の世界で挑戦する勇気をもてるようになります。
5. 「あのときも乗り越えた」を思い出させる
逆境の中にいると、人は「もうダメだ」「自分には無理だ」と思いがちです。
そんな時には、
→「前もつらいことがあったけど、乗り越えたよね」
→「〇〇のときも時間はかかったけど、ちゃんと元気になったよ」
と、過去の回復体験を記憶から呼び起こすことが大切です。
記憶の中の「乗り越えた自分」が、未来の自信をつくってくれます。
親が「見守る力」を育てることも大切
子どもが逆境にあるとき、親として何かしてあげたくなるのは当然です。
でも時には、「見守る」「信じる」ことが最大の支援になることもあります。
過干渉ではなく、干渉と放任の中間にある“共感的な見守り”。
このスタンスが、子どもの自己回復力を引き出してくれます。
そして、「子どもが何かを乗り越えるたびに、親も一歩成長する」という視点も、ぜひ大切にしてみてください。
まとめ:逆境は、成長のステージに変えられる
逆境は、誰にとってもつらいものです。
しかし、適切な支援と温かな関わりがあれば、子どもはそこから新しい自分に出会うことができます。
- 感情を言語化する
- 選択肢を持たせる
- 成功体験を積ませる
- 安心できる関係性を築く
- 過去の回復体験を思い出させる
これらを少しずつ積み重ねることで、子どもは「しなやかに折れずに戻る力=真のレジリエンス」を身につけていきます。
どんな状況でも「自分らしく生き抜ける力」を――
今日から、家庭で育てていきましょう。
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