「うちの子、もっとスポーツで活躍できるかも!」「将来はアスリートを目指してほしい!」 そんな風に考え、日々のお子さんの頑張りを応援している親御さんも多いのではないでしょうか?
スポーツに励むことは、心身の成長を促し、健やかな発達に繋がります。
しかし、練習量や競技レベルが上がると共に、「相対的エネルギー不足(Relative Energy Deficiency in Sport: RED-S)」という状態に陥るリスクも高まります。
RED-Sとは、摂取エネルギーが消費エネルギーを下回る状態が続くことで、身体に様々な悪影響を及ぼすことを指します。
「毎日きちんとご飯を食べているから大丈夫」そう思っていませんか? 実は、RED-Sは見た目では分かりにくく、隠れ栄養不足と呼ばれることもあります。
もし、RED-Sの状態を放置してしまうと…?
- パフォーマンスの低下や停滞
- 怪我のリスク増加
- 成長障害(低身長、骨粗鬆症など)
- 月経不順や無月経
- 疲労骨折
- 鉄欠乏性貧血
など、深刻な問題を引き起こす可能性があります。
見落としがちな栄養不足!RED-Sのサインを見逃さないために
RED-Sの怖いところは、初期症状が分かりにくく、見逃されがちな点にあります。
「最近、なんだか疲れやすそう…」 「集中力が続かず、ミスが増えた…」 「以前より怪我をしやすくなった…」
もしかしたら、それはRED-Sのサインかもしれません。
特に、成長期の子供は、身体を作るために多くのエネルギーを必要とします。
激しい運動をしている場合はなおさらです。
しかし、実際には、「思春期の女の子」や「成長スパート期の子供」は、エネルギー不足に陥りやすいと言われています。
【年齢・性別で異なるRED-Sのサイン】
- 小学生: 集中力の低下、イライラしやすくなる、頻繁な風邪
- 中学生・高校生: 疲労回復の遅延、パフォーマンスの停滞、慢性的な筋肉痛
- 女子アスリート: 月経不順や無月経、骨密度の低下、貧血
上記はあくまで一例であり、個人差が大きい点に注意が必要です。
大切なのは、日頃からお子さんの様子を注意深く観察し、少しでも気になる点があれば、自己判断せずに専門医に相談することです。
今すぐできる対策!スポーツキッズの未来を支える食事&生活習慣
RED-Sの予防・改善には、適切なエネルギー摂取と栄養バランスのとれた食事が重要です。
【成長期に必要な栄養素とその役割】
- 炭水化物: 運動のエネルギー源となる
- タンパク質: 筋肉や骨、血液などの材料となる
- 脂質: エネルギー源、脂溶性ビタミンの吸収を助ける
- ビタミン: 身体の機能を調整する
- ミネラル: 骨や歯の形成、筋肉の収縮などを助ける
【食事のポイント】
- 3食きちんと食べる: 主食・主菜・副菜を揃え、栄養バランスを意識する
- 間食を上手に活用する: 補食として、おにぎりや果物、ヨーグルトなどを摂る
- 水分補給をこまめに行う: 運動の前後だけでなく、運動中もこまめな水分補給を心がける
【成長段階や練習量に合わせた食事例】
- 小学生: 練習後のおにぎり、果物、牛乳などを補食として摂る
- 中学生・高校生: 練習量や運動強度に応じて、主食の量を増やす、タンパク質を多く含むおかずを食べる
- ハードな練習後: 炭水化物とタンパク質を一緒に摂れる、鮭おにぎりや親子丼などがおすすめ
栄養管理に加えて、睡眠と休養も非常に重要です。
十分な睡眠は、疲労回復を促し、成長ホルモンの分泌を促します。
【具体的な方法】
- 毎日決まった時間に寝起きする
- 寝る前にスマホやパソコンを触る時間を減らす
- 昼寝を効果的に取り入れる
- 練習の合間にはこまめに休憩を取る
まとめ:子供の未来のために、正しい知識と早めの対策を
今回は、スポーツキッズにおける「相対的エネルギー不足(RED-S)」について解説しました。
RED-Sは、子供の成長や将来に悪影響を及ぼす可能性があることを理解し、日頃から予防を心がけることが大切です。
少しでも心配なことがあれば、自己判断せずに、スポーツ栄養の専門家や管理栄養士に相談してみましょう。
子供の健やかな成長をサポートするために、私たち親ができることから始めていきましょう!