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1年前、教え子たちから還暦祝いを受けた際、久しぶりに正月に初蹴りを行うことが提案され、実施する運びとなりました。
酒席での話がきっかけだったため、参加者は少なかったものの、少年用のコートで10分間のゲームを3本行いました。
家庭をもち、働き盛りの大人たちが集まり、サッカーを楽しむ姿を見られたことは、指導者として非常に嬉しい経験でした。
指導していた頃は勝利にこだわり、田舎のチームであっても県内、さらには東北、全国に名を馳せたいと強く願っていましたが、ある研修会で嘉納治五郎に関する講話を聴いた際、指導方針について再考させられる機会がありました。
「柔道」を創始した武道家である嘉納治五郎は、日本スポーツ協会を設立し、初代会長として「日本体育の父」と称されています。
彼は「精力善用」と「自他共栄」という二つの理念を提唱しています。
「精力善用」とは、心身の全ての力を活かし、社会のために良い方向に役立てることを意味します。
「自他共栄」とは、他者を尊重し信頼し、自分だけでなく他者と共に繁栄を目指すことを指します。
初蹴りに参加した皆さんとお話しする中で、この二つの理念をもっているように感じました。 あの時の指導が、少しでも子供たちの成長に寄与できたのではないかと考えています。