非認知能力とは何か?
「非認知能力」とは、テストの点数やIQのように数値では測りにくい、意欲・協調性・自制心・忍耐力・好奇心・自己効力感(自分にはできるという感覚)などの心の力を指します。
認知能力が「知識を覚え、計算し、答える力」だとすれば、非認知能力は「それを活用しようとする力、失敗しても続ける力、人と関わりながら成長する力」といえるでしょう。
学力の土台を支える「生きる力」として、世界中で注目されています。
「考える力」と「非認知能力」の深いつながり
考える力は、非認知能力と密接に関係しています。
というのも、「考える」という行動そのものが、非認知能力に支えられているからです。
考えるには「好奇心」が必要
子どもが「なぜ?」と思うとき、そこには好奇心があります。
「これ、もっと知りたい」「どうしてこうなるの?」と興味が芽生えると、考える行動が始まります。
つまり、「考える力」は、好奇心という非認知能力を源にして育つのです。
自分で考えるには「自己効力感」が必要
「どうせ自分には無理」「答えがわからないからやめておこう」と思う子は、考えることそのものを避けがちです。
逆に、「自分にもできるかもしれない」と思える子は、粘り強く考えることに挑戦できます。
これは、自己効力感(自分はできるという感覚)という非認知能力の影響です。
考えを深めるには「忍耐力」が必要
考えることは時に、苦しい作業でもあります。すぐに答えが出ないとき、うまくいかないときに、それでも考え続けるには忍耐力や粘り強さが必要です。
考える力を発揮するには、感情をコントロールして集中し続ける力が土台となります。
非認知能力はどうやって育つのか?
非認知能力は、一夜にして育つものではありません。日々の関わりや環境の中で、少しずつ育まれていくものです。
安心できる関係の中で育つ
まず大切なのは、子どもが安心して失敗できる環境があること。「どうせダメって言われる」「怒られるかもしれない」という不安が強いと、考えたり挑戦する力がしぼんでしまいます。
「どんな考えでも、あなたの意見を聞きたいよ」という関わりが、思考の芽を守る土壌になります。
小さな成功体験を重ねる
非認知能力を育てるには、小さな「できた!」の積み重ねが不可欠です。
「難しい問題に自分なりに取り組んだ」「考えて工夫したら上手くいった」…こうした経験が、「自分にはできる」という感覚につながります。
結果よりも、「どう考えたか」「どう工夫したか」に注目して、プロセスを褒めることがカギになります。
学校教育と非認知能力のバランス
最近では、非認知能力の重要性が教育現場でも注目されています。
PISA(国際学習到達度調査)でも、「主体的に学ぶ力」や「協働的問題解決力」が評価されるようになりました。
一方で、学校教育だけでは十分に非認知能力を伸ばしきれない部分もあるため、家庭や地域での育ちの場が重要視されています。
まとめ:非認知能力が育つと「考える力」が伸びる
子どもが考える力を育むには、ただ頭を使わせるだけでは不十分です。
その土台となる「非認知能力」が育っていないと、考えることに取り組む意欲も、粘り強さも、自信も持てないからです。
だからこそ、「答えを出させる」のではなく、「考えたいと思わせる」「試してみたいと思わせる」心の環境づくりが大切です。
非認知能力を育てることは、まさに子どもが一生使える“思考の筋肉”を育てることでもあります。
今の教育において、知識だけでなく「どう考えるか」を支えるこの力こそが、子どもの未来を大きく左右するのです。
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