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不登校から一度は立ち直った子どもが、再び「学校に行きたくない」と言い始めたとき

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小学校で不登校になったお子さんが、中学入学を機に登校を再開し、ひと安心……と思ったのも束の間。数か月、あるいは1年ほどで「また学校に行きたくない」と言い出す――。これは決して珍しいケースではありません。

このような再登校しぶりに直面したとき、保護者は「また戻ってしまうのでは」「今度こそ何とかしたい」と不安や焦りを感じることでしょう。

この記事では、小学生時代の不登校を経験し、中学でいったん登校できるようになった子が、再び登校しぶりになる背景とその対処法を、最新の知見を交えてわかりやすく解説します。

目次

なぜ「再び」登校しぶりになるのか?5つの主な背景

子どもが中学校で一時的に登校できるようになるのは、大きな変化の中で「やり直せるかもしれない」という希望を感じたからです。ですが、再び登校しぶりになる背景には、以下のような要因が隠れています。

1. 中学特有の「人間関係の再構築」
新たな友人関係やクラス環境にはじめは新鮮さがありますが、数か月たつと、緊張感が薄れる代わりに摩擦や孤立が表面化します。小学校時代と似た関係性の再来を感じると、心のブレーキが再び作動します。

2. 学習内容・課題の急増
中学校では、教科数の増加や定期テストなど学習環境が大きく変わります。「できない」「ついていけない」という感覚が、不登校時代の自己否定感と結びついてしまうことも。

3. 心のエネルギー切れ
登校再開は一見順調に見えても、実は本人はエネルギーを大量に消費しています。安心できる関係性や成果が伴わないまま走り続けた結果、心が疲れてしまい、再度停止してしまうケースがあります。

4. 周囲の期待とのギャップ
周囲の「もう大丈夫だろう」「普通に通えるよね」という無意識の期待が、本人のプレッシャーになります。これが「行かなきゃ」という義務感に変わり、やがて反動が出ます。

5. 本人なりの「気づき」が芽生えたため
登校する中で、学校生活に対する価値観や「自分にとって大切なもの」が変化することもあります。これは決してネガティブなことではなく、成長の一過程と捉える視点も必要です。

親がすぐにできる「再登校しぶり」への初期対応

再び登校をしぶるようになったとき、焦って「何があったの?」「行かないとダメでしょ」と問い詰めてしまいがちですが、これは逆効果です。まずは以下の対応を意識しましょう。

・“行けていたこと”より“疲れたこと”に目を向ける
「せっかく行けてたのに」という視点ではなく、「ここまでがんばってきたんだね」と子どもの努力や心の疲れに寄り添いましょう。

・問題解決よりも、“理解”を最優先に
原因を探る前に、「どんなときにしんどい?」「体が重い? 心が重い?」と感覚的なことから聞いていくことで、子どもも安心して話せるようになります。

・登校以外の「安全基地」をつくる
学校以外でリラックスできる場所や人間関係を意識的に作ることが、回復への支えになります。家庭内でも「勉強しなくていい日」「気分をリセットする日」を設けることも効果的です。

再登校しぶりに向き合うときの“中長期的な視点”

登校できるかどうかは大切ですが、それ以上に大切なのは「子どもが社会とどうつながり、自分らしく生きられるか」です。そのためには、学校という枠組みにこだわりすぎない視点が必要です。

・“登校ありき”ではなく“学びのあり方”に目を向ける
学校に行かない=学ばない、ではありません。オンライン学習や別室登校、フリースクール、家庭学習など、子どもに合った学びの形を検討することが有効です。

・第三者の関わりを積極的に取り入れる
学校の担任だけでなく、スクールカウンセラー、地域の支援員、教育支援センター(適応指導教室)など、外部の専門家を巻き込むことはとても有効です。

・“社会との接点”を保ち続ける
学習だけでなく、「誰かと話す」「人の役に立つ」「新しいことに挑戦する」など、社会とゆるやかにつながる活動を取り入れることが、回復と自立を支えます。

保護者が抱え込まずにいるために——親の“気持ち”のケアも大切

お子さんの再登校しぶりに直面すると、「また失敗してしまった」「自分の接し方が悪かったのかも」と自分を責めてしまう保護者の方も少なくありません。

でも、本当に必要なのは「誰かが悪い」を探すことではなく、「今ここから、何ができるか」を一緒に考えていくことです。

・親自身も相談先をもつこと
保護者も一人で悩まないことが重要です。自治体の教育相談窓口や不登校支援団体、親の会など、共感を得られる場が回復の支えになります。

・“回復の波”を前提に考える
子どもの心の回復は、階段状ではなく波のように進みます。登校再開もあれば、また休む時期もある。大切なのは、振り出しに戻ったのではなく「深まりながら戻っている」と見ることです。

一歩ずつでいい。大切なのは「子どもの今の姿」に寄り添うこと

小学生で不登校を経験し、中学で一度は登校できるようになった――それ自体、子どもが大きな力を発揮した証です。そして今、再び立ち止まっているのも、子どもが「本当に自分に必要なことは何か」を模索している過程かもしれません。

焦らず、比べず、「この子のペース」で進めること。それこそが、子どもの人生を支える最善のアプローチです。学校という枠だけでなく、「社会とのつながり」「人との信頼」「学びの喜び」を育てながら、長い目で見守っていきましょう。

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