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子どものメンタル相談が「数か月待ち」…その間、家庭でできることとは?

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学校から「一度専門機関で相談してみては」と勧められ、紹介された子ども病院のメンタル外来。しかし予約を取ろうとしたら「3か月待ち」「半年先までいっぱい」と言われ、戸惑った保護者の方は少なくありません。

子どもの心の状態に不安を抱えているときに、「待つしかない」という状況は、保護者にとっても子どもにとっても大きなストレスになります。

では、その待機期間に家庭でできることはないのでしょうか?
この記事では、子どものメンタルサポートに関わる正しい知識と、予約待ち期間中の対応策について整理していきます。

目次

専門機関の予約が混み合う背景

まず押さえておきたいのは、子どものメンタルヘルスに関する相談が全国的に急増しているという事実です。

背景には、

  • 不登校や登校しぶりの増加
  • 発達特性の早期発見と支援の重要性の認知拡大
  • 保護者や学校が抱える対応の限界

などがあります。これに対し、小児精神科医や臨床心理士の数は圧倒的に不足しているため、「1件あたりの初診枠が非常に限られている」のが現状です。

だからこそ、待機中の時間を「空白」にせず、子どもと家庭の安心を支える工夫が重要になります。

【対応1】学校との情報共有を継続する

まず最優先すべきは、「学校との継続的な連携」です。

予約が取れたことを学校に報告するだけで終わらず、次のような情報を定期的に共有しましょう。

  • 子どもの様子の変化(睡眠・食欲・気分など)
  • 家庭でできている対応/難しい対応
  • 本人が学校で過ごせる時間帯・教科などの希望
  • 今後の受診予定と不安点

これは担任教員だけでなく、スクールカウンセラーや養護教諭、学年主任などの関係者にも共有すると効果的です。

子どもにとって「学校が自分のことを理解しようとしてくれている」という感覚は、回復への土台となります。

【対応2】地域の相談窓口や民間機関を活用する

「病院での初診は数か月待ち」でも、他の相談窓口や民間支援で早期の支えを得られる可能性があります。

代表的な例は以下の通りです:

  • 教育センター(教育相談室):自治体が運営。教育心理士などが対応。
  • 子ども家庭支援センター:子育てや福祉の観点から相談可能。
  • スクールカウンセラー:在籍日を確認して予約制で相談。
  • 臨床心理士による民間カウンセリング:自由診療だが待機期間が短いことも。

どの窓口でも、「いま必要な支援の方向性」や「家庭での関わり方」などの具体的なアドバイスが得られる可能性があります。

また、カウンセリングを通じて、子ども自身が「話すことって気持ちが楽になるんだ」と感じるだけでも、心の回復にはプラスです。

【対応3】「安心のルーティン」を家庭内につくる

待機中の家庭では、日常生活のリズムを崩さないようにすることが何より大切です。

  • 毎朝決まった時間に起きる
  • 食事や入浴の時間を整える
  • 外出が難しくても日光に当たる
  • 無理に勉強させるより、短時間でも「できた」と思えることを

これらは一見地味ですが、子どもの「心身の安定」と「自己肯定感」を支える基本になります。

また、子どもが安心して話せる時間をつくることも重要です。

  • 朝の身支度のとき
  • おやつを食べながら
  • 寝る前の5分だけの雑談 など

「評価しない」「解決を急がない」「ただ聞く」姿勢が子どもの信頼を育てます。

【対応4】親自身のケアを怠らない

子どものメンタルに不安を抱えると、保護者の心も大きく揺れます。
「自分のせいでは?」「どうしていいか分からない」と感じるのは当然のことです。

だからこそ、親自身も、

  • 信頼できる人に話を聞いてもらう
  • 教育相談や保健師に助言を求める
  • SNSなどで不確かな情報に振り回されない

など、自分の心の余裕をつくる工夫を忘れないようにしましょう。

家庭が張りつめた空気になると、子どもはそれを敏感に感じ取ってしまいます。
「がんばりすぎない」ことも、親にとって大切な支援行動です。

【対応5】学校からの「紹介」は受診を急ぐサインと理解する

最後に押さえておきたいのは、学校が医療機関の受診を勧めるときは、すでに学校内での対応だけでは難しいと判断されているケースが多いということです。

これは決して子どもを否定しているのではなく、
「より適切な支援を得ることで、子どもを守りたい」という学校の願いの表れです。

そのため、たとえ受診が数か月後でも、

  • 必ず予約を取り、待機している旨を学校に伝える
  • 並行して相談窓口や家庭内サポートを進める
  • 状況が急変した場合は再度学校や病院に相談する

という「待ちながら動く姿勢」がとても大切になります。

まとめ:待機期間は「何もできない時間」ではない

子どものメンタルに関する悩みは、すぐに解決できることばかりではありません。
しかし、「今すぐ治療できないから何もできない」というわけでは決してありません。

  • 家庭での生活リズムと安心感の確保
  • 学校や相談機関との連携
  • 代替的な相談支援の活用
  • 保護者自身の心の整え方

これらを地道に積み重ねていくことで、子どもの回復力は確実に支えられていきます。

メンタルヘルス支援は「待つこと」も含めて、丁寧に歩んでいくものです。
子どもにとっても、保護者にとっても、「大丈夫、ひとりじゃない」と思える環境をつくっていきましょう。

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