「最近、学校でのことをあまり話してくれないな……」
「お友達とうまくやれているのかしら?」
大切に育てているからこそ、ふとした時のお子さんの「沈黙」や「表情の変化」に、心がざわついてしまうことってありますよね。
「もっと本音を話してほしい」「自信を持って周りと関わってほしい」と願うのは、親として当然の愛情です。でも、無理に聞き出そうとすると、子どもはかえって殻に閉じこもってしまうことも……。
実は、子どもの心の中には「4つの窓」があると言われています。 この窓の仕組みを少し知るだけで、親子の会話がもっと弾み、お子さんが「自分らしく」周りの人と繋がれるようになるヒントが見つかるかもしれません。
今回は、心理学の世界で愛されている「ジョハリの窓」という考え方を、お家で楽しく使える形に噛み砕いて一緒に覗いてみましょう。
子どもの心にある「4つの不思議な窓」
私たちの心には、自分に見えている自分と、周りから見えている自分の、両方が存在しています。それを4つのエリアに分けたのが「ジョハリの窓」です。
少し想像してみてください。お子さんの心の中に、こんな4つの窓があるとしたら……?
- 「みんな知ってる窓」(開放の窓) 名前や好きな食べ物、得意なスポーツなど、自分も周りも分かっている部分です。ここが広いほど、のびのびと自分を表現できている状態といえます。
- 「自分だけが知らない窓」(盲点の窓) 「一生懸命になると、つい口が尖っちゃうね」といった、自分では気づかないけれど、周りからは見えているクセや魅力のことです。
- 「自分だけのヒミツ窓」(秘密の窓) 「実はこれが苦手」「本当はこう思っている」など、心に秘めている悩みやコンプレックス。ここが大きすぎると、少し窮屈に感じてしまうかもしれません。
- 「だれも知らない窓」(未知の窓) まだ誰も気づいていない、眠っている才能や可能性のこと。これからの成長で、どんな花が開くか楽しみな宝箱のような場所です。
この中で、特に大切なのが1番目の「みんな知ってる窓」を少しずつ広げていくことです。 自分のことを安心して周りに伝えられるようになると、子どもは「自分はここにいていいんだ」という強い安心感を持つことができるようになります。
なぜ「自分を知る」と、お友達作りが楽になるの?
「自分を知ること」と「お友達と仲良くすること」は、実は深い関係があります。
自分の得意なことや、逆に「これをされると嫌だな」という気持ちを自分で分かっている子は、お友達にもそれを上手に伝えることができます。 また、親御さんとの会話を通じて「自分では気づかなかった良さ(自分だけが知らない窓)」を教えてもらった子は、人から言われるアドバイスを素直に受け止める「心のしなやかさ」が育ちます。
「お母さんは、あなたが一生懸命に靴を揃えているところ、ちゃんと見ていたよ」 そんな何気ない一言が、子どもの中で「あ、僕にはこういう良いところがあるんだ!」という発見に繋がり、それが他者の視点を想像する力、つまり共感する力の根っこになっていくのです。
お家で遊ぼう!心をひらく「窓あけ」ゲーム
特別な勉強は必要ありません。いつもの食卓や寝る前のちょっとした時間を、楽しい「心の探検タイム」に変えてみませんか?
1. 「キラキラ発見!」褒め合いっこ
まずは、お互いの「みんな知ってる窓」をピカピカに磨く遊びです。 「今日の給食、残さず食べたんだって?かっこいいね!」 「お母さんの作る卵焼き、世界一おいしいよ!」 どんなに小さなことでも構いません。具体的なエピソードを添えて褒め合うことで、子どもの中に「自分は認められている」という自信がムクムクと湧いてきます。
2. 「私ってどんな人?」質問タイム
これは「自分だけが知らない窓」をそっと覗く冒険です。 お子さんに「お母さん(お父さん)って、どんな人に見える?」と聞いてみてください。 「怒ると怖いけど、笑うと目がなくなるよ!」なんて、意外な答えが返ってくるかもしれません。 逆に、親御さんからも「あなたは、お友達が困っているとき、いつも一番に気づいてあげられる優しい人だね」と、本人が気づいていない輝きをフィードバックしてあげてください。
ここで一番大切なのは、子どもの言葉を「そうだね」と丸ごと受け止めることです。たとえ予想外の答えが返ってきても、否定せずに「そんな風に見えていたんだね、教えてくれてありがとう」と伝えることで、子どもの「ヒミツ窓」も、自然と安心感で開いていくはずです。
「できた!」の笑顔が、外の世界へ繋がる
親子でこの「窓」を意識した関わりを続けていくと、お子さんの表情に少しずつ変化が現れるかもしれません。
家で「自分」を認められ、安心して表現できるようになった子は、学校や幼稚園という外の世界でも、自分を信じて一歩を踏み出す勇気を持てるようになります。 お友達との関係で立ち止まった時も、「自分には味方がいる」「自分はこういう人間だ」という軸があることで、しなやかに乗り越えていけるようになるでしょう。
完璧な親である必要はありません。 ただ、お子さんと一緒に「次はどんな素敵な窓が開くかな?」とワクワクしながら、寄り添っていく。 その温かな時間が、お子さんにとって一生の財産となる「自分を愛する力」と「人を思いやる力」を育んでいくのです。
今日から、小さな窓を一つ、一緒に開けてみませんか?
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