MENU
アーカイブ

【子どもの学習力アップ】脳科学が明かす3つの重要ネットワークとは

脳科学

近年の脳科学研究により、私たちの脳には3つの重要なネットワークが存在し、これらが学習や記憶、注意力などに大きく関わっていることが分かってきました。

これらのネットワークの働きを理解することで、お子様の学習をより効果的にサポートすることができます。

目次

デフォルトモードネットワーク(DMN):創造性を育む「お散歩モード」

1つ目は「デフォルトモードネットワーク(DMN)」です。

これは、特に何もしていない時、いわゆるボーッとしている時に活性化するネットワークです。

DMNの特徴:

・過去の経験を振り返る ・未来のことを想像する ・創造的な思考を促進する ・自己認識や共感能力を高める

お子様が「ボーッとしている」時、実は脳は重要な働きをしているのです。

例えば、算数の問題を解いた後にしばらく休憩させると、脳は学んだ内容を整理し、定着させていきます。

DMNを活かすためのポイント:

・勉強時間の合間に適度な休憩を入れる ・寝る前の「ボーッとする時間」を大切にする ・散歩や自然観察の時間を設ける

セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN):集中力の要

2つ目は「セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN)」です。

これは、課題解決や意思決定に関わる重要なネットワークです。

CENの主な機能:

・注意力の維持 ・記憶の保持と操作 ・論理的思考 ・計画立案と実行

このネットワークは、テストを受ける時や難しい問題を解く時など、集中が必要な場面で特に重要になります。

CENを強化するためのアプローチ:

・計画的な学習スケジュールの作成 ・段階的な難易度設定 ・適度な休憩を取り入れた集中時間の確保 ・集中を妨げる環境要因の排除

セイリアンス・ネットワーク(SN):切り替えの達人

3つ目は「セイリアンス・ネットワーク(SN)」です。

これは、状況に応じて他の2つのネットワークを切り替える「指揮者」のような役割を果たします。

SNの重要な役割:

・外部からの刺激の選別 ・優先順位の決定 ・注意の切り替え ・感情のコントロール

このネットワークが上手く機能すると、集中すべき時と休憩すべき時を適切に切り替えることができます。

SNを育てるためのヒント:

・メリハリのある生活リズムの確立 ・mindfulness(マインドフルネス)の実践 ・運動を通じた身体感覚の育成 ・感情認識と表現の練習

まとめ:3つのネットワークを活かした効果的な学習支援

これら3つのネットワークは、それぞれが独立して働くのではなく、相互に影響し合いながら機能しています。

効果的な学習のためには、以下のポイントを意識することが大切です:

  1. 適切な休憩時間の確保(DMNの活性化)
  2. 集中できる環境づくり(CENの強化)
  3. 柔軟な切り替えの習慣化(SNの育成)

具体的な実践方法:

・45分学習→15分休憩のリズムを作る ・学習環境の整備(騒音対策、整理整頓) ・運動や趣味の時間も大切にする ・睡眠時間の確保

お子様の年齢や個性に合わせて、これらの要素をバランスよく取り入れることで、より効果的な学習が可能になります。

脳科学の知見を活かした学習支援は、決して難しいものではありません。

日々の生活の中で、これら3つのネットワークの特性を意識し、それぞれを適切に活性化させていくことで、お子様の学習能力は着実に向上していきます。

ぜひ、この記事で紹介した内容を参考に、お子様の学習環境を見直してみてください。

きっと、新しい発見があるはずです。

アーカイブ

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

小学校教員・教育相談員を経験してきた学習アドバイザー
スポーツ少年団やクラブチームの指導を行ってきた、日本スポーツ協会公認クラブマネジャー・スポーツ指導員
フリースクールやケアハウスで学習・生活支援を行ってきたボランティア活動員

目次