長い夏休みが終わり、いよいよ新学期。子どもたちにとっては、心も体も生活リズムも大きく切り替わるタイミングです。
実は、この「夏休み明け」は、子どもの心が不安定になりやすい時期。
この記事では、キッズ学習アドバイザーの視点から、夏休み明けに向けて保護者が注意すべきポイントを5つの視点から解説します。
親の「先回りの不安」が子どもを追い詰める
夏休み明けが近づくと、多くの親がつい言ってしまいがちなのが
「宿題ちゃんと終わったの?」
「生活リズム直しなさい!」
「学校行く準備ちゃんとできてるの?」
といった“詰める言葉”。これらは、親としての心配や愛情の裏返しですが、子どもにとってはプレッシャーになります。
子ども自身も「もうすぐ学校が始まる」という意識はあります。ただ、それを言葉でうまく表現できず、心の中で不安を抱えている場合が多いのです。
親の言葉が先回りしてしまうと、「できてない自分」を責めてしまったり、「学校=苦しい場所」という印象が強まってしまう可能性があります。
まずは親が、「自分の不安」を整理し、「子どもを信じて待つ姿勢」を意識しましょう。
夏休み後半は「心の準備期間」として過ごす
夏休みの後半は、生活のリズムだけでなく、「心のリズム」も整えていく時間にしましょう。
- 朝起きる時間を15分ずつ早める
- 昼夜逆転がある場合は、徐々に戻す
- 朝ごはんの習慣を再開する
- 学用品の整理や持ち物の準備を子どもと一緒にする
これらはすべて、「学校モード」に自然に気持ちを切り替えていく手助けになります。
また、「学校が始まるから〇〇しなさい」ではなく、
「学校始まったら、何が楽しみ?」
「〇〇ちゃんに会うの久しぶりだね」
「新しいクラス、どんな雰囲気かな?」
といったポジティブな声かけが、子どもの気持ちを前向きにします。
子どもの「しぶり」を責めない・焦らせない
夏休み明け直後、登校をしぶる子どもも少なくありません。
- 学校に行く時間になるとお腹が痛い
- 朝から無言になる
- 制服やランドセルを触りたがらない
こうしたサインが見られたとき、決して「なまけている」「甘えている」と決めつけないことが大切です。
子どもは、自分でもよくわからない不安やストレスを感じている場合が多く、それが体調や行動に表れています。
対応としては、
- まず話を聞くこと(問い詰めない)
- 「休んでもいいよ」と一度伝えることで安心感を与える
- 保護者が焦らない
- 必要があれば学校や専門機関と連携する
ことが大切です。
「学校に戻る」ことが目標ではなく、「子どもが自分の心に気づき、自信を持って動き出す」ことがゴールであると考えましょう。
親子で夏の振り返りを「感情の言葉」で行う
夏休み中の経験は、子どもにとってかけがえのない学びの宝庫です。親子で振り返りながら、「どんな気持ちになったか?」という感情の言葉で語ることが、語彙力・表現力・自己理解力の育成にもつながります。
- 「一番楽しかったのはどの瞬間だった?」
- 「びっくりしたことってあった?」
- 「ちょっとイヤだったこと、あった?」
- 「来年はどんな夏にしたい?」
こうした問いかけは、子ども自身の感情を整理し、心の切り替えにもつながります。
また、ポジティブな経験を言葉にすることは、「また頑張ろう」と思えるエネルギーにもなります。
夏明けは“がんばりすぎない家庭の雰囲気”を
夏休みが明けると、どうしても生活が忙しくなりがちです。しかし、子どもは思った以上に疲れやストレスを感じています。
- ごはんはなるべく一緒に食べる
- 家ではリラックスできる空気を大切にする
- 週末は意識してゆっくり過ごす
- 親も「やることを詰めすぎない」
など、“がんばらなくていい時間”を家庭に持つことが大切です。
子どもが学校でがんばるには、「家庭で安心できること」が絶対条件です。
まとめ:夏明けの子どもを支える親の在り方とは
夏休み明け、子どもは新しい環境に踏み出す不安や緊張を抱えています。
その時期、親にできることは、
- 先回りせず、信じて待つ姿勢をもつこと
- 生活と心のリズムを整える手伝いをすること
- 感情に寄り添い、無理に“登校”を目指さないこと
- 家庭の中に「戻れる場所」をつくっておくこと
です。
子どもが「またがんばってみようかな」と思えるのは、親からの安心感と、寄り添う言葉があるからです。
忙しい中でも、「あなたの気持ちに関心があるよ」と伝える姿勢を忘れずに、子どもの夏明けをゆるやかに見守っていきましょう。
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