子どものメンタル相談を希望しても、実際には「3か月先の初診」というケースも少なくありません。
そんなとき、保護者として「何かしてあげたい」と思っても、具体的に何をすべきかが分からないという声を多く耳にします。
そこで今回は、子ども病院での受診を待つあいだに家庭でできる行動を整理したチェックリストをご紹介します。
不安な気持ちに流されず、「できること」に目を向けるための一助になれば幸いです。
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【基本情報の整理】〜まず最初に確認しておきたいこと〜
- □ 病院の初診予約は完了している
- □ 初診日と時間をカレンダーなどに記録している
- □ 担任やスクールカウンセラーに予約済みであることを共有した
- □ 子ども本人にも「いつ受診する予定か」を伝えている(年齢に応じて)
※予約は取れただけでも大きな一歩。安心の道のりが始まっています。
【子どもの様子の記録】〜日々の変化を把握する〜
- □ 起床時間・就寝時間・睡眠の質に変化はあるか
- □ 食欲や体調の様子に変化はあるか
- □ 口数や表情に変化はあるか
- □ 学校への気持ちに日々の揺れがないか
- □ 家での過ごし方(遊び・勉強・デジタル機器の使い方など)を観察している
- □ 気になる言動があった場合、簡単なメモを取っている
※受診時にスムーズに状況を伝える資料にもなります。
【家庭内での対応】〜「安心」を守る日常の工夫〜
- □ 朝の身支度や食事など、基本的な生活リズムを保てている
- □ 「今日はできたね」と、どんなに小さなことでも肯定的な声かけを意識している
- □ 叱責よりも「見守る」関わりを増やしている
- □ 一緒に笑える時間(テレビ・散歩・カードゲームなど)を意識して持っている
- □ 子どもが話したくなったときに耳を傾けられる姿勢がある
- □ 「なんでそう思ったの?」など、気持ちを掘り下げる聞き方ができている
- □ 話してくれた内容を評価せず、「うん、そうなんだ」と受け止めている
※「治そう」とするより、「一緒にいよう」の関わりが効果的です。
【外部支援の確認】〜受診までのつなぎ支援を検討〜
- □ 学校のスクールカウンセラーとの面談日を設定・相談している
- □ 教育センター(教育相談室)などの行政窓口を調べてみた
- □ 必要があれば地域の子ども家庭支援センターへの連絡も検討している
- □ 民間のカウンセリング機関(臨床心理士など)も視野に入れている
※「受診待ち」は孤立ではありません。地域にはつながれる支援があります。
【保護者自身のメンタルケア】〜「親が安心すること」も支援のひとつ〜
- □ 不安な気持ちを信頼できる人に話している(配偶者、友人、専門家など)
- □ SNSやネット情報にふりまわされすぎないようにしている
- □ 家庭内で「子どもの話題だけ」になりすぎないようにしている
- □ 自分が睡眠・食事・休息をきちんと取れているかを確認している
- □「自分を責めないこと」を意識している
※子どもを支えるには、まず親が呼吸できることが何より大切です。
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まとめ:親が「できること」を確認するだけで、子どもは安心する
このチェックリストは、全てを完璧にこなすためのものではありません。
「やれることを少しずつやっている」という実感が、保護者自身の安心につながり、
それがそのまま、子どもの安心へとつながります。
子どもにとって、何よりの支援者は「そばにいる大人のまなざし」です。
「いまこの瞬間、子どものことをちゃんと見て、支えようとしている」――それだけで、子どもは救われることがあります。
受診を待つあいだこそ、親子で安心の土台をゆっくり築いていきましょう。