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子どもの登校しぶり:保護者と担任の考えが違うとき、どう向き合えばいいか?

学校との違い
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子どもが学校に行きたがらない――。

その時、保護者としては「無理に行かせるより、まずは心のケアを優先したい」と思う一方で、学級担任からは「出席し続けることでリズムが整うから、休ませない方がいい」との意見が寄せられることがあります。

子どもを想う気持ちは同じはずなのに、保護者と担任とのあいだに温度差があると、かえって悩みが深くなるものです。この記事では、そうした行き違いをどう捉え、どう対応すればよいのかをお伝えします。

目次

保護者と担任、それぞれの「立場」が生むすれ違い

登校しぶりをめぐって保護者と担任の意見が分かれるのは、珍しいことではありません。それは単に考え方が違うのではなく、「立場」と「見えている世界」が異なるからです。

保護者の視点:

  • 朝の子どもの様子を間近で見ている(泣く、パニックになる、体調を崩す)
  • 学校で何が起きたか詳しくわからない不安
  • 無理をさせてさらに悪化しないか心配

担任の視点:

  • 登校しぶりの子どもにどう関わるか、全体のクラス運営も考慮する必要
  • 出席や課題の管理、他児童との関係性の把握
  • 学校内での行動や様子しかわからないため、家庭での状態が見えづらい

どちらも「その子にとって最善を尽くしたい」という思いからの発言であることは確かです。しかし、視点が違えばアプローチも異なり、それが摩擦につながるのです

対立しないための“前提の共有”がカギ

保護者が「今日は休ませます」と伝えた際に、担任から「無理してでも登校させてください」と言われたとします。ここで感情的に反発してしまうと、建設的なやり取りが難しくなります。

大切なのは、「私たちは敵ではない」という前提を明確にすることです。

たとえば、保護者から次のように伝えてみましょう:

「先生も、うちの子のことを思って言ってくださっているのだと理解しています。そのうえで、今の状態についてご説明したいのですが…」

このように、相手の立場を認めたうえで話を始めると、対話がスムーズに進みやすくなります。

また、担任に対しては「家ではこういう様子で、登校するとパニックになることがある」など、できるだけ具体的な情報を共有することも大切です。担任の“見えていない部分”を埋めることで、判断が変わることがあります。

教師の「学校に来てほしい」には、理由がある

担任が「登校を続けた方がいい」と言う背景には、いくつかの実務的・教育的な理由があります。

  • 学習の遅れや学習態度の崩れを心配している
  • クラスメイトとの関係を維持したい
  • 長期欠席になると不登校扱いとなり、支援の枠組みが変わる
  • 他の保護者とのバランスや公平性を考慮している

これらは教師の職務としての責任感から出る意見であり、「子どもを苦しめたい」という気持ちから来るものではありません。

だからこそ保護者としては、教師の背景も理解しながら、我が子にとっての最適解を一緒に探すスタンスが求められます。

担任にどう伝える?保護者としての伝え方の工夫

担任と温度差を感じたとき、以下のような伝え方を意識すると良いでしょう:

  • 「本人は行こうとは思っているのですが、今朝は泣いて動けませんでした」
  • 「一度登校を試みましたが、玄関でうずくまりました」
  • 「学校では普通に見えるかもしれませんが、帰宅後に激しい頭痛と疲労が出ています」

これにより、担任の“見えない部分”にリアリティを持たせることができます

また、「登校は目指しているが、今はステップを踏みたい」という保護者の姿勢を見せることで、担任も柔軟に対応しやすくなります。

さらに、場合によってはスクールカウンセラーや学年主任を交えた三者面談をお願いするのも選択肢です。担任だけに負担をかけず、より客観的な目を入れることで話が進みやすくなることがあります。

共通の目標は「その子の社会的な自立と安心」

最終的に保護者と担任が目指すゴールは、子どもが将来的に自分らしく社会と関わっていけるようになることです。

「今、学校に毎日通うこと」だけがゴールではありません。むしろ、無理に通わせることで自尊感情が傷つき、学校への恐怖心が強まるようであれば、逆効果となります。

そのため、以下のような共通認識を築くことが理想です:

  • 今は“充電期間”と捉え、生活リズムの維持と心の安定を優先する
  • 学校とつながりを持ち続けながら、段階的に復帰を目指す
  • 学校での居場所づくりに協力してほしい(保健室登校、別室支援など)

これらを軸に、保護者と担任が“対立”ではなく“協力”の形で動くことが、子どもにとっての安心につながります。

まとめ:対話の目的は「説得」ではなく「理解のすり合わせ」

  • 保護者と担任のズレは、立場や見えている情報の違いから生じる
  • 子どもを想う気持ちは共通していると認識することが第一歩
  • 感情的な反発ではなく、事実と観察に基づいた冷静な情報共有を
  • 担任が背負っている責任も理解し、協力的な対話を心がける
  • 共通の目標は、子どもの“安心できる居場所”と“将来的な自立”

登校しぶりは一時的な現象かもしれませんし、長期的な課題になるかもしれません。そのどちらであっても、保護者と担任が連携し、子どもに合った支援を重ねていくことが大切です。

“違いを乗り越える対話”こそが、子どもにとって最良の支えになる――そんなチームワークを、家庭と学校の間に築いていけることを願っています。


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