子どもと話す時間、大切にしたいと思っていても──
「うん」「べつに」「わかんない」
こんな返事が続くと、不安になったり、つい聞き出そうとしてしまうこともあるかもしれません。
実は、子どもが本音を話してくれるかどうかは、問いかけ方やタイミング、そして日々の関わりの積み重ねに大きく左右されます。
ここでは、子どもの言葉を自然に引き出すための“問いかけのコツ”を、実践しやすい形でご紹介します。
1. 「閉じた質問」ではなく「開かれた質問」を
子どもへの問いかけでよくあるのが、「今日、学校どうだった?」という一言。
これは「はい・いいえ」で答えられる“閉じた質問”になりやすく、「ふつう」「別に」と返ってきやすい傾向があります。
代わりに、こんなふうに尋ねてみるのがおすすめです。
・「今日、いちばん楽しかったことって何?」
・「今日の給食、どれがいちばんおいしかった?」
・「誰と一緒に遊んだの?」
・「今日の体育、どんなことをした?」
こうした“開かれた質問”は、子どもが出来事を思い出し、自分の言葉で話しやすくなります。
2. 「感情」に目を向ける問いかけをする
出来事だけでなく、そこに感じた気持ちに触れる問いかけは、子どもの心を開くきっかけになります。
たとえば、
・「それって、うれしかった?」
・「びっくりしたんじゃない?」
・「がんばってみて、どんな気持ちだった?」
子どもが「気持ちを言葉にする」練習にもなり、心の成長を支える大切なコミュニケーションになります。
3. 「正解」を求めない・急かさない
問いかけをしても、すぐに返事が返ってくるとは限りません。
とくに疲れているときや、感情をうまく整理できていないときは、黙ったままのこともあります。
そんなときは、無理に答えさせようとせず、
「ゆっくりでいいよ」「思い出したら教えてね」と一言添えてあげることが大切です。
子どもは「待ってもらえる安心感」があることで、後からポツリと話し始めることも少なくありません。
4. 話しやすい“場と時間”を選ぶ
子どもにとって話しやすいタイミングは、実は「向かい合って座るとき」ではない場合が多いものです。
たとえば、
・一緒に歩いているとき
・車で移動中
・お風呂の時間や寝る前
・好きな遊びをしているとき
こうした“ながら時間”は、緊張感が少なく、自然と心がゆるみます。
話題も広がりやすくなるので、リラックスした雰囲気を大切にしましょう。
5. 子どもの言葉を「最後まで聞く」「否定しない」
話し始めた子どもに対して、ついアドバイスや評価を挟んでしまうことがありますが、まずは「共感して聞く」ことが第一歩です。
・「そう思ったんだね」
・「そんなことがあったんだ」
・「がんばったね」
こうした一言が、次の言葉を引き出す力になります。
おわりに:大切なのは“話せる関係”を育てること
子どもが自分のことを話してくれるのは、信頼できる相手に「わかってもらえる」と感じたときです。
問いかけのテクニックも大切ですが、それ以上に「話しかけられたらちゃんと聞いてくれる」「気持ちを受け止めてもらえる」と思える関係づくりが、何よりの土台になります。
毎日のちょっとした会話から、子どもの心の扉はゆっくり開いていきます。
ぜひ、焦らず、楽しむ気持ちで言葉のキャッチボールを重ねていきましょう。
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