インターネットには、写真、音楽、動画、文章など、たくさんの“おもしろい”や“すてき”があふれています。でも、そのすべてが自由に使っていいわけではありません。
そこに関係してくるのが、「著作権(ちょさくけん)」というルールです。
著作権とは、作品をつくった人が、その作品をどう使うか決めることができる権利のこと。
子どもたちがタブレットやパソコンを使う機会が増えている今こそ、著作権について親子でいっしょに考えていくことが大切です。
1.「これ、勝手に使っていいの?」が第一歩
子どもにとってよくあるのが、
・YouTubeの動画を編集して自分のチャンネルでアップ
・インターネットで見つけた画像を学校の発表資料に貼る
・好きなアニメのキャラを自分のブログやSNSで使う
このような行動の中には、著作権を侵害してしまうおそれがあるものもあります。
「ネットにある=自由に使っていい」わけではなく、誰かが時間やアイデアをかけて作った“作品”であることを、子どもにも伝えることが大切です。
2.「フリー素材」と書いてあっても注意が必要
ネットには「フリー素材」や「無料ダウンロードOK」と書かれているサイトもありますが、どんな使い方でも自由というわけではありません。
たとえば、
・商用利用(お金がからむ使い方)はNG
・クレジット(作者名の記載)が必要
・加工してはいけない
など、利用ルールが細かく決まっていることも多いのです。
子どもが素材を使うときは、
「この画像や音楽、使ってもいいってどこに書いてある?」
と声をかけてあげると、“使う前に確認する習慣”が自然と身についていきます。
3.「自分でつくったもの」も著作権がある!
実は、子どもたち自身がつくった絵や作文、動画、写真にも著作権があります。
たとえば、
・自分で描いたイラスト
・自由研究のレポート
・家族で作ったミニ映画や発表動画
こうしたものは、本人が「どう使っていいか」を決める権利を持っているということ。
だからこそ、他の人の作品を使うときも、「相手の気持ちを大切にする」という視点を育てていけるとよいですね。
4.「引用」はOK。でもルールがある
授業での調べ学習やレポートなどでは、“引用”という形で他人の文章や画像を使うことがあります。
このときは、
・「ここからここまでが引用部分」だと明確にする
・出典(出どころ)をはっきり書く
・自分の考えが主で、引用が一部にとどまっている
などのルールを守れば、著作権を侵害しません。
子どもにも、「ちゃんと出どころを書くことで、作者に敬意を示すんだよ」と伝えていきましょう。
5. 子どもに伝えたい「3つの約束」
著作権の話を難しく感じる子も多いので、次のような“約束”として覚えやすく伝えると効果的です。
① 使う前に調べる(勝手に使わない)
② 作者を大事にする(出典を書く・感謝する)
③ 自分の作品も大事にする(勝手に使われたら言っていい)
こうした基本的なマナーは、インターネットやAIが身近な時代を生きる子どもたちにとって、まさに「情報社会で生きる力」となっていきます。
著作権は、「してはいけないこと」ばかりではありません。正しく理解すれば、自分の思いを表現し、他者と気持ちよく作品を共有する“道しるべ”にもなります。
子どもと一緒に考え、話し合う時間をぜひ作ってみてください。
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