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「ズルしないって気持ちいい!」子どもの心を強くする”フェアプレー”の3つの力

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運動会のリレーで、転んだ相手チームの子を気にせず走り抜けた。ゲームで負けそうになると、途中でやめてしまう。友だちが失敗したとき、「ダッサ」と笑う——。

どれも、子どもの世界ではよく見かける場面です。

「勝ちたい」「悔しい」「自分が一番でいたい」。この気持ち自体は、まったく悪いことではありません。むしろ、成長のエネルギーそのものです。

ただ、その気持ちの「使い方」を知っているかどうかで、子どもの人間関係や、ここぞという場面での強さが大きく変わってきます。

そのカギになるのが「フェアプレー」という考え方。スポーツの話でしょ?と思われるかもしれませんが、実は毎日の暮らしの中にこそ、フェアプレーを学ぶチャンスがあふれています。

今日は、フェアプレーを支える3つの力——「相手を大切にする力」「違いを受け入れる力」「自分をコントロールする力」について、一緒に考えてみましょう。


目次

「リスペクト」ってどういうこと?——相手を大切にする力

リスペクトという言葉、最近よく耳にしますよね。日本語にすると「尊重する」「敬意を払う」となりますが、子どもにとってはもっとシンプルな話です。

「自分がされたらイヤなことは、相手にもしない」 「相手の話を最後まで聞く」 「勝っても負けても、相手に『ありがとう』と言える」

たとえば、こんな場面を想像してみてください。

サッカーの試合で勝ったチームの子が、負けたチームの子に駆け寄って「いい試合だったね」と声をかける。大人が見ていなくても、自分からそうできる子がいたら、なんだかグッときませんか?

この「相手を大切にする」という感覚は、教科書で教わるものではなく、日常の中で少しずつ身についていくものです。

家庭でできるちょっとしたこと

実は、子どもが一番最初にリスペクトを学ぶ場所は家庭です。

親が子どもの話を「へぇ、そうなんだ」と目を見て聞く。子どもが何かを選んだとき、「いいね、そう思ったんだね」とその判断を受け止める。兄弟ゲンカのあと、「相手はどんな気持ちだったと思う?」と問いかけてみる。

こうした日々のやりとりの中で、「自分も大切にされている」と感じた子どもは、自然と周りの人を大切にできるようになっていきます。

反対に、大人が子どもの話をさえぎったり、意見を頭ごなしに否定したりしていると、子どもは「人の話は聞かなくてもいいんだ」と無意識に学んでしまうことも。

特別なことをする必要はありません。ただ、「この子の言葉にも一人前の気持ちが乗っている」と思って接する。それだけで十分です。


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「違いを受け入れる」って、実は難しい——寛容の力

2つ目は、自分とは違う考えや感じ方を持つ人を受け入れられる力です。

これ、大人でも難しいですよね。

「普通こうするでしょ」「なんでわからないの?」——つい口にしてしまうこの言葉の裏には、「自分の当たり前=みんなの当たり前」という思い込みが隠れています。

子どもの世界でも同じです。

給食で苦手なものが食べられない子に「えー、なんで?」と言う。絵の色使いが独特な子に「変なの」と笑う。走るのが遅い子を「使えない」と言ってチームから外す。

どれも、悪意があるわけではないんです。ただ、「自分と違う=おかしい」と感じてしまっているだけ。

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「みんな違って当たり前」を体験から学ぶ

「人はみんな違うんだよ」と言葉で伝えるのは簡単ですが、それだけではなかなか実感がわきません。

一番効くのは、実際に「違い」に触れる体験です。

たとえば、外国の料理を一緒に作ってみる。初めて食べる香辛料の香りに「うわっ」となるかもしれない。でも食べてみたら「あれ、おいしいかも」と思うかもしれない。

年齢の違う子と一緒に遊ぶ機会を作るのもいいですね。小さい子の前では自然と優しくなれたり、年上の子のやり方に「なるほど」と思えたり。

家庭の中でも、「お父さんはこう思うけど、お母さんは違う意見だな」と、大人同士が意見の違いを穏やかに見せることが、実はとても良いお手本になります。

「違う」は「間違い」じゃない。ただ「違う」だけ。この感覚を持てた子どもは、どんな場所でも、どんな相手とも、しなやかにつながっていけます。


感情の波に飲まれない力——自分をコントロールする作法

3つ目は、自分の気持ちや行動を自分で扱える力です。

これは、感情を押し殺すこととは違います。怒りも悔しさも、感じること自体はまったく自然なこと。大切なのは、その感情に振り回されて行動してしまわないこと。

こんな場面、見覚えはありませんか?

ゲームで負けて、コントローラーを投げつける。テストの点数が悪くて、答案をぐしゃぐしゃに丸める。弟におもちゃを取られて、思わず叩いてしまう。

どれも、感情の波にそのまま乗ってしまった結果です。子どもだから仕方ない部分もあります。でも、少しずつ「波が来ても飲まれない方法」を知っていくことはできます。

怒りの「6秒ルール」

人の怒りのピークは、約6秒と言われています。つまり、カッとなった瞬間に6秒だけ待てれば、最も激しい衝動は過ぎ去ることが多い。

子どもにこう伝えてみてください。

「ムカッとしたら、心の中で6つ数えてみて。1、2、3、4、5、6。そのあとに何をするか決めても遅くないよ」

最初はうまくいかなくても大丈夫です。10回に1回でも「待てた」経験があれば、それが次の「待てる」につながっていきます。

深呼吸という「リセットボタン」

もうひとつ、小さな子どもでもすぐにできるのが深呼吸です。

「鼻からゆっくり吸って、口からふーっと吐く。風船を膨らませるみたいに」

これを親子で一緒にやってみると、遊び感覚で取り入れられます。イライラしたときだけでなく、寝る前やテストの前など、緊張する場面でも使える「心のリセットボタン」になります。

また、日常生活の中で小さな目標を決めて達成する経験も、自分をコントロールする力を鍛えてくれます。「今日は怒らずに弟と遊べた」「ゲームの時間を自分で終われた」——こうした小さな「できた」の積み重ねが、自分を信じる力に変わっていきます


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3つの力は、バラバラじゃなくつながっている

ここまで「相手を大切にする力」「違いを受け入れる力」「自分をコントロールする力」を見てきましたが、この3つは別々のものではなく、実は深くつながり合っています。

相手を大切にできるから、違いも受け入れられる。自分をコントロールできるから、感情的にならずに相手を尊重できる。違いを受け入れられるから、自分と違う意見にもカッとならずにいられる。

3つがかみ合ったとき、子どもの中に「フェアであること」が自然な姿勢として根づいていきます。


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勝ち負けの先にあるもの

最後に、ひとつだけ。

フェアプレーは、「負けてもニコニコしていなさい」という話ではありません。

悔しいときは悔しくていい。勝ちたいと思うのは素晴らしいこと。でも、そのうえで「ズルをしない自分」「相手を踏みにじらない自分」を選べること。それがフェアプレーの本当の意味です。

そしてこの力は、スポーツだけでなく、友だち関係、勉強、将来の仕事、あらゆる場面で子どもを支えてくれます。

「ズルして勝つより、正々堂々やったほうが気持ちいいな」

子どもが自分の体験からそう感じられたとき、それはどんなトロフィーよりも価値のある成長の証です。

今日、お子さんと遊んだりスポーツを見たりする機会があったら、「フェアに戦うのってかっこいいよね」と何気なく話してみてください。その一言が、きっとどこかで芽を出します。

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