「うちの子、もっとできると思うのに…」
「本人は自信満々だけど、実際は…?」
こうした保護者と子どもの間に生じる評価のズレに悩む方は少なくありません。
このズレは、単なる認識の違いにとどまらず、子どもの自己肯定感や成長の方向性にも大きく影響します。
本記事では、なぜ評価の食い違いが起きるのか?
その背景にある気質や認知特性、親子の視点の違いをもとに、具体的な対応策まで詳しく解説します。
「うちの子はこう見えている」親と子どもの視点はなぜ違う?
親子の評価が一致しない背景には、いくつかの構造的な要因があります。
▼保護者の視点は「比較」や「将来」から
- 他の子どもとの相対評価
- 成績や生活習慣など“結果”に注目
- 社会的な基準に基づいた判断
▼子どもの視点は「今ここ」と「自己感覚」
- 「自分なりに頑張っている」という実感重視
- 「友達と比べる」より「昨日の自分」と比べる
- 興味・関心のある分野に自信を持ちやすい
このように、評価の基準がそもそも違うのです。
たとえば、「集中力が足りない」と感じる親に対して、子どもは「好きなことにはちゃんと集中してる」と思っていることもあります。
評価のズレが生まれる3つの主な原因
1. 気質や性格の違い
子どもには、生まれつきの気質(情緒の感じ方・反応の仕方)があります。
たとえば、
- 慎重な子は「自信がなさそう」に見える
- 社交的な子は「落ち着きがない」と感じられる
しかし、どちらも「その子なりのスタイル」であり、評価すべき特性です。
2. 保護者の期待値が高すぎる
子どもが一定の能力を持っていると、つい「もっとできるはず」と期待しがちです。
ですが、子どもが今できていることと親が望むレベルには、ギャップがあることが多く、その差が「評価のズレ」として現れます。
3. 非認知能力の見えにくさ
「頑張っている」「あきらめなかった」「友達を助けた」といった非認知的な努力や価値は、点数や目に見える成果として現れにくいため、保護者が気づきにくい傾向があります。
評価のズレが子どもに与える影響
評価のズレに気づかず放置してしまうと、次のような影響を及ぼすことがあります。
▼1. 自己肯定感の低下
「頑張ったのに認められない」と感じると、
→ 「どうせわかってもらえない」と思い込み、自信を失ってしまいます。
▼2. 努力の方向性を誤る
「親に褒められるためにやる」ようになると、
→ 本人の内発的動機が弱まり、表面的な“いい子”になりがちです。
▼3. 親子関係のすれ違い
「ちゃんと見てくれない」「わかってくれない」という思いは、
→ 思春期以降の対話の断絶を招く原因にもなります。
一方で、評価のズレを上手に調整し、対話に活かすことができれば、
子どもの成長を支える強い味方になります。
ズレを埋めるために保護者ができること3選
●1. 親の「評価軸」を問い直す
子どもを見るとき、「何ができたか」だけでなく、
- どこに挑戦したのか
- どんな気持ちで取り組んだのか
- 昨日よりどんな成長があったか
など、過程や内面にも目を向ける評価軸を持ちましょう。
●2. 「事実」と「解釈」を分けて考える
「また忘れ物した=だらしない子」と決めつけるのではなく、
→ まずは「忘れ物をした」という事実だけを受け止める。
そこから、「なぜそうなったのか?」「次はどうしたらいいか?」を一緒に考える姿勢が大切です。
●3. 子どもの言葉を最後まで聞く
評価を下す前に、子どもの主観を聞く時間を確保しましょう。
大人が「わかってくれた」と思えるだけで、子どもは安心して自分を見直せるようになります。
まとめ:ズレは悪ではない。“対話の入口”として活かそう
親と子の評価が一致しないのは、よくあることです。
大切なのは、それを対立の原因にせず、対話の入口と捉えること。
- 親が子どもの世界を理解しようとする
- 子どもが親の期待を知ることで、自分を客観的に見られる
- 双方の理解が深まれば、ズレが「成長のチャンス」に変わる
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