「あーあ、また失敗しちゃった……」 そんなとき、つい「次はこうすればいいんだよ」と、先回りして正解を教えてしまいたくなることはありませんか?
私たちは、子どもが悲しむ姿を見たくなくて、つい最短ルートで「成功」へ導いてあげたくなります。でも、実はその「回り道」の中にこそ、子どもの一生を支える「考える力」がぎっしりと詰まっているんです。
今回は、よく耳にする「失敗は成功のもと」という言葉を、もっと具体的に、今日からお家で楽しめる宝探しのような習慣に変えていくヒントを一緒に考えてみませんか。
「できた!」の裏側に隠された、脳のワクワク
子どもの脳にとって、一発で成功することは、実はそれほど大きな刺激にはなりません。
例えば、新しいパズル。 ピースを手に取って、「ここかな?」とはめてみるけれど、入らない。 「じゃあ、こっちはどうかな?」と向きを変えてみる。 カチッとはまった瞬間、子どもの目はキラキラと輝きますよね。
この、試行錯誤している瞬間こそが、脳のガソリンです。 「どうしてダメだったんだろう?」「次はこうしてみよう!」と頭の中で作戦を立てているとき、子どもの中では、問題を解く力や、新しいアイデアを生む力がぐんぐん育っています。
最近の脳の研究でも、ちょっとした失敗を乗り越えて正解にたどり着いたときの方が、学習の効率がグンと上がることが分かっているそうです。 失敗は「ダメなこと」ではなく、脳を成長させるための「最高のトレーニング」なんですね。
ちょうどいい「壁」の見つけ方
では、お家でどんな風にその機会を作ってあげればいいのでしょうか。 大切にしたいのは、その子にとっての「ちょうどいい高さの壁」です。
例えば、こんな場面を想像してみてください。
- 積み木遊びで: いつも通りに積み上げるだけなら、もう簡単すぎるかもしれません。そんなときは「一番高い積み木の上に、この人形を乗せられるかな?」と、少しだけ工夫が必要な提案をしてみるのはどうでしょう。
- おやつタイムで: 袋が開かないとき、すぐにハサミを貸すのではなく「どうすれば開くと思う?」と一緒に考えてみます。 手で引っ張ってみる、端っこを噛んでみる(笑)、道具を探してくる……。
簡単すぎて退屈せず、難しすぎて投げ出さない。 「ちょっと頑張れば届きそう!」という絶妙な難易度が、子どもの知的好奇心に火をつけます。
「教えたい!」をぐっとこらえる勇気
ここで、私たち大人にとって一番の難問が登場します。 それは、「答えを言わずに見守る」ということです。
子どもが苦戦していると、つい「こうやるんだよ」と手を出したくなりますよね。私も、何度その衝動と戦ってきたか分かりません。 でも、ここでぐっとこらえて、子どもが自分の力で「あ!」と気づく瞬間を待ってあげたいのです。
例えば、子どもが靴を左右逆に履こうとしているとき。 「逆だよ」と教える代わりに、履き終わるまで待ってみます。 歩いてみて、「なんだか変な感じがする……」と子どもが自分で気づいたとき、それは一生忘れない「自分の学び」になります。
もし、どうしても助けが必要そうなら、答えではなく「ヒント」を。 「こっちの形と、あっちの形、似てないかな?」 「さっきはどうやって成功したんだっけ?」
そうやって一緒に考える時間は、子どもにとって「自分は信じられている」という安心感にも繋がります。
魔法の言葉は「次はどうする?」
失敗したとき、子どもは心の中で「怒られるかな?」「恥ずかしいな」と不安になっているかもしれません。 そんなとき、空気を一瞬で変える魔法の言葉があります。
「いい実験になったね!次はどうしてみる?」
失敗を「間違い」ではなく、成功に近づくための「実験データ」として捉えてみるんです。 「面白いやり方を思いついたね!」「その失敗、ナイスチャレンジ!」 そう声をかけられた子どもは、失敗を恐れなくなります。
むしろ、「失敗しても大丈夫なんだ」「次はもっと面白くなるはず!」と、どんどん新しいことに挑戦する勇気が湧いてくるのです。
「できた!」という笑顔の先にあるもの
何度も転んで、ようやく自転車に乗れた日。 何度も書き直して、ようやく自分の名前が書けた日。 そのときの、顔中をくしゃくしゃにして笑う子どもの姿を思い出してみてください。
あの達成感は、誰かに教えてもらった正解からは得られません。 自分で悩み、迷い、試行錯誤したからこそ手に入れた、世界に一つだけの自信です。
日々の生活は忙しく、つい「早く、正しく」を求めてしまいがちですが、たまには時計を置いて、子どもの「試行錯誤」という冒険に付き合ってみませんか。
その一歩一歩が、将来、困難にぶつかっても「よし、どうやって乗り越えようかな?」と前を向ける、しなやかで強い心を作っていくはずです。
子どもの「やりたい!」というエネルギーを、これからも一緒に大切に育んでいきましょう。
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